研究課題/領域番号 |
08671908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
永田 行博 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30038806)
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研究分担者 |
三輪 勝洋 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (50284881)
沖 利通 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60253879)
堂地 勉 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60150413)
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キーワード | 受精卵 / 着床前 / 胚生検 / 遺伝子診断 / PCR / FISH / 倫理 |
研究概要 |
(1)疾患診断法の確立 : われわれはX連鎖遺伝病に対してSRYやamelogenine geneを用いた PCR法やFISH法による性別診断法の臨床応用をすでに可能にした。しかし、最終的な着床前診断は疾患診断である。そこで、OTC(ornithine transcarbamylase)欠損マウスを用いて疾患診断の確立を試みた。まず、OTC欠損マウスであるか否かを PCR法で診断し、さらにその受精卵の OTCおよび SRYを double nested PCR法で診断を行い、それが正確に行われたかを観察し、同時に生検胚の着床率、胎仔への影響を観察した。その結果、診断率は 83%〜100%で、着床率は55%、出生仔の正診率は100%であった。このことから、塩基配列が判明した疾患の1割球からの診断が可能であることを示した。 (2)診断精度の向上の試み : 4細胞期胚または8細胞期胚からの1割球生検が一般的であるが、8細胞期胚から2割球を生検することを検討した。その結果、2割球生検は4細胞期胚から1割球生検と同様の胚発育率、生仔獲得率であった。その結果、2割球が診断に供されることになり、診断精度向上に貢献する。また、1割球から PCR法とFISH法が可能なcell recycling法を検討中であり、基礎的な技術をほぼ確立した。 (3)インフォームド・コンセントの作成 : 臨床応用に向けて、インフォームド・コンセントを検討し、ほぼ完成した。 (4)出生前診断の確立 :シトルリン血症の新しい変異を発見し、その出生前遺伝子診断法を確立した。また、子宮腔内フラッシング法で妊娠初期の胎児由来細胞を得て、FISH法による性別診断が可能になった。
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