研究課題/領域番号 |
08671911
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
藤井 美穂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00260761)
|
研究分担者 |
工藤 隆一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045409)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30154149)
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00187056)
遠藤 俊明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90213595)
|
キーワード | 子宮腺筋症 / 子宮内膜癌 / Matrix metalloproteinase(MMP) / MMP-7 / MMP-2 / MMP-9 / Invasion assay / In situ hybridization |
研究概要 |
【1】マウス子宮腺筋症において、異所性内膜組織の浸潤により正常子宮組織の構築破壊の著明な腺筋症では分子量20-30kDのMMPの発現が認められ、ヒトMMP-7cDNAから選択したprimerを用いRT-PCRを行った結果、目的の配列が増幅され、MMP-7と推定された.southern blot法でも同様の結果が得られた.【2】ヒト子宮腺筋症,正常内膜、子宮内膜癌組織を用い同様にRT-PCRを行った結果、目的の配列が増幅され、MMP-7mRNAの発現が確定できた.MMP-7cDNAよりペプチドを合成し、抗ラビットポリクローナル抗体を作製しwestern blot法を行ったところ、ヒト子宮腺筋症、内膜癌組織では発現を認めたのに反し、正常子宮内膜組織ではほとんど認められなかった.免疫組織染色では、子宮腺筋症、内膜癌組織の腺細胞でMMP-7の強い発現を認めたが、正常子宮内膜腺細胞では増殖期でごく弱い発現を認め、分泌期ではほとんど認められなかった.In situ hybridizationによるMMP-7mRNAの各組織の局在を検討した結果,上記すべての組織で発現が認められたが、局在部位は異なっていた.【3】MMP-2、MMP-9は子宮内膜癌細胞、周囲の間質にも発現していたが、正常子宮内膜組織では月経周期にかかわらずほとんど発現はなく、子宮腺筋症では両組織の中間的な発現傾向を認めた.MMP-2、MMP-9mRNAの組織内局在性はMMP-2.-9の発現部位と同様であったが、子宮腺筋症の異所性内膜細胞におけるMMP-2、-9mRNAの発現が腺細胞に隣接した内膜間質に認められた.【4】今回のわれわれの成績は子宮腺筋症の進展が子宮内膜癌細胞と同様なMMPs、MMP-mRNAs発現様式を示す異所性内膜細胞の特性、および異所性内膜の腺-間質細胞のMMPsを介する相互作用による可能性を示唆している.
|