脱落膜化過程において発現量の変化する遺伝子を解析する目的で、同意を得た患者の手術材料により得た増殖期子宮内膜、分泌期子宮内膜および妊娠初期脱落膜よりmRNAを抽出し、differential display法により遺伝子発現を比較した。その結果、増殖期と分泌期とで発現量が異なると思われる複数のRNAを検出した。これらの遺伝子はプロゲステロンにより誘導される遺伝子の可能性が高いが、ノーザンブロット法により現在解析中である。今後はこれらの遺伝子の塩基配列を決定し、プロゲステロンによる誘導作用、脱落膜化にともなう発現量の変化などにつきさらに精細な検討を加えていくと同時に、条件を変えてdifferential display法を行うことにより新たな遺伝子を検索していく予定である。
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