研究課題/領域番号 |
08671914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
五来 逸雄 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70162170)
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研究分担者 |
仲沢 経夫 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90254169)
平原 史樹 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30201734)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 癌肉腫 / ヒト子宮 / 摘出物標本 / 細胞株 / 組織発生 / 中間径フィラメント / HUMARA / 幹細胞由来 |
研究概要 |
癌肉腫は病理組織学的に上皮性と非上皮性から成る比較的稀な腫瘍で、ヒト子宮体部癌肉腫の組織発生に関して、combination tumor(1つの幹細胞より腫瘍が発生した後癌と肉腫に分化)とcomposition tumor(癌が発生した後間質が反応性に悪性化)の主として2つの説が考えられている.組織発生に関する研究はこれまで主として摘出物標本の病理組織学的検討によりなされてきたがこれを細胞レベルで解明する目的で当研究室で樹立したヒト子宮体部癌肉腫細胞株EMTOKAとそれの限界稀釈法にて得られた7亜株を用いて以下の研究を行った.細胞形態は変化に富みHE染色にて円柱細胞、小型上皮細胞、中型ないし大型上皮様細胞、悪性腫瘍巨細胞、紡錘型細胞、円型細胞を光学顕微鏡にて観察した。電顕にて初期と晩期の継代数の異なる親株と亜株は上皮細胞に特徴的な所見を示し、肉腫細胞への移行型や肉腫細胞の所見は認めなかった。染色体分析で親株、亜株に共通した異常は、1p、3p、7q、11q、+l2p、+15pであった.免疫染色では親株と7亜株はすべてサイトケラチン8、17、18、19、ビメンチン、EMA、S-100、胎盤性ALP陽性であり、一方c-erb B-2とp53の発現の強さは親株、亜株のすべての細胞型で同一に観察された。原腫瘍のパラフィン切片より顕微鏡下で正常組織、腫瘍組織を採取すると同時に培養細胞を材料とし、DNAを抽出し、ヒトアンドロゲン受容体遺伝子(HUMARA)のメチル化に対応するとされているX染色体不活化を制限酵素HpaIIを用いてPCR法にて解析した.正常組織では2本のバンドを認めたが腫瘍組織、培養細胞親株・亜株ではバンドは1本のみであった.親株の異種移植により癌成分、肉腫成分の両者を有する癌肉腫が形成された.以上の研究結果より癌肉腫は組織発生の過程で幹細胞が上皮、間質の両成分に分化するモノクロナール由来であることが示唆された.
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