研究概要 |
LSCをもちいて検索した結果、apoptotic cellの同定は形態学的に容易で、その細胞のDNAヒストグラム作製は容易で細胞動態解析が可能であつた。またwhole painting probeを用いたFISH標本では、最初に第1番染色体と第20番染色体が分断されて第20番染色体が分断されてapoptotic bodyに分布することが判明した。 さらに、細胞の寿命を決定するといわれるtelomereを、FISHで検出した。telomereは、大きいapoptotic bodyに高頻度に検出され、逆にcentromereは小さいapoptotic bodyに検出された。したがって、染色体の変化は、まず染色体特異的部位であるcentromereから、すなわち染色体の中央からおこりapoptotic bodyを形成することが判明した。申請者は以上の実績をもとに、ヒト培養癌細胞(子宮体癌由来;Ishikawa,卵巣癌由来;KF-1,KFr)を培養3日目に、シスプラチン5μg/ml、タキソ-ル5x10-7MをそれぞれE(子宮体癌由来;Ishikawa,卵巣癌由来;KF-1,KFr)を培養3日目に、シスプラチン5μg/ml、タキソ-ル5x10-7Mをそれぞれ添加し、24時間培養におけるapoptotic ce11の解析をした。KFr株はsub-G1にピークをしめし、当該部の細胞はLSCによりapoptotic cellである事が判明した。これらの細胞でもやはりcentromereからapoptosisがおこり、apoptotic bodyを形成することが判明した。 今後スクリーニングされた染色体の特定部分にたいするプローブを用いたFISHを施行後LSCで観察し、画像解析装置を駆使してアポトーシスの誘導や抑制過程における細胞個々の形態の変化と、癌遺伝子および癌抑制遺伝子のコピーの変化を細胞構築を保ったまま観察する。
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