研究課題/領域番号 |
08671921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
関 博之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20179328)
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研究分担者 |
黒牧 謙一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20225311)
木下 勝之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80010354)
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キーワード | 脱落膜細胞 / 絨毛細胞 / サイトカイン / プロゲステロン / PGE_2 |
研究概要 |
immortalized trophoblast cell line(TCL)とimmortalized decidual cell line(DE-1)の相互作用に関して以下の結果を得た。 (1)DE-1はTCLのprogesterone産生量を増加させ、DNA含有量を減少させた。 (2)TCLはDE-1のDNA含有量に影響を及ぼさずに、PGE2産生量を低下させた。 (3)単球白血球のcell lineであるTHP-1は、上述したTCLのDE-1への作用、DE-1のTCLへの作用を減弱させた。 以上のことから、脱落膜細胞は絨毛細胞の増殖を抑制すると同時に、機能の亢進、すなわち分化を誘導している可能性が示唆された。また、絨毛細胞は脱落膜細胞の増殖に影響を与えることなしにPGE2産生量を低下させたことから、着床直後の脱落膜における免疫抑制に何らかの役割(脱落膜におけるPGE2の意義に関しては不明な点が多いが、免疫機能への関与が示唆されている)を担っている可能性が示唆された。さらに、THP-1の添加により脱落膜細胞や絨毛細胞の作用が減弱したことから、脱落膜細胞と絨毛細胞の相互作用に免疫担当細胞も関与していることが示唆された。 さらに、まだpreliminaryな段階だが、DE-1がTCLの、TCLがDE-1のTIMP-1の産生に影響を及ぼすとの結果も得ており、これらの相互作用は細胞外マトリックスとプロテアーゼ、及びプロテアーゼインヒビッターにも作用が認められた。今後、細胞外マトリックスとしてラミニン等、プロテアーゼとしてMMPs、プロテアーゼとしてMMPs、プロテアーゼインヒビッターとしてTIMP-1の動態を検討し、脱落膜細胞と絨毛細胞の相互作用が互いの細胞外マトリックス、プロテアーゼ、プロテアーゼインヒビッターにどのような影響を及ぼすか検討してゆく予定である。
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