研究課題/領域番号 |
08671932
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
篠塚 孝男 東海大学, 医学部, 助教授 (30110901)
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研究分担者 |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
村松 俊成 東海大学, 医学部, 助手 (90266437)
宮本 壮 東海大学, 医学部, 助手 (60209947)
村上 優 東海大学, 医学部, 講師 (00190893)
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キーワード | 上皮性卵巣癌 / 大量化学療法 / 自家骨髄移植 / 末梢血幹細胞移植 / 長期予後 |
研究概要 |
上記の研究課題にもとづき、進行・難治性卵巣癌の長期予後成績の改善を求めて我々が行ってきた造血幹細胞移植法併用大量化学療法の治療成績を平成10年10月の時点でまとめてみた。 研究対象は表層上皮性卵巣癌80例(III期:46例、IV期:19例、再発・難治例:15例)で、大量化学療法のレジメンは、シクロホスファミド1600〜2400mg/m^2+アドリアマイシン80〜1000mg/m^3+シスプラチン100〜150mg/m^2と、カルボプラチン900〜1500mg/m^3+シクロホスファミド3000mg/m^2の2つのレジメンで行った。大量化学療法を行う前に、可能な限りの腫瘍摘出術を試み・、初回の手術が試験開腹に終わったものや不完全手術に終わったものには、通常投与量での化学療法を2〜3コース行った後に再開腹術を行い残存腫瘍の可能な限りの摘出を試みた。造血幹細胞移植法としては、1992年迄は自家骨髄移植を、それ以降は末梢血幹細胞移植を行った。 1997年10月現在での治療成績を分析してみると、5年・8年生存率は、III期:58.1%・48.8%、IV期:33.7%・33.7%、再発・難治例:37.5%・37.5%となった。同様に無病生存率は、III期:35.7%・31.7%、IV期:22.6%・22.6%、再発・難治例:31.0%・31.0%となった。III・IV期の進行例65例につき、大量化学療法前の残存腫瘍径別にその長期予後をみると、5年・8年生存率は、0-0.5cm群(35例)=74.3%・66.4%、0.6-2cm群(13例):30.8%・20.5%、>2cm群(17例):22.6%・22.6%となり、同様に無病生存率はそれぞれ、0-0.5cm:51.6%・46.3%、0.6-2cm:0%・0%、>2cm:16.7%・16.7%となり、大量化学療法施行前の残存腫瘍径の大きさが、長期予後を左右する重要な因子であることが判明した。組織型では、粘液性および明細胞腺癌は他の組織型に比べ有意に予後不良であった。現在パクリタキセルを含む大量化学療法のレジメンを検討中である。
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