研究課題/領域番号 |
08671939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
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研究分担者 |
植木 実 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40084892)
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40148432)
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キーワード | 子宮内膜 / アポトーシス / Bcl-2 / Fas-ligand / Fas antigen / TUNEL |
研究概要 |
われわれはヒト子宮内膜におけるアポトーシスとbcl-2蛋白の発現の関連について平成6、7年度の一般研究Cの研究成果報告書ですでに述べてきた。今回、bcl-2ノックアウトマウスを用いてbcl-2の子宮における機能を明らかにするとともに、Fas,Fas-ligandおよびDNA断片化に注目して子宮内膜のアポトーシスの研究を行っている。Fas,Fas-ligandとICEプロテアーゼのヒト子宮内膜における発現についてはWestern blotと免疫電顕でDNAの断片化についてアガロースゲルによる電気泳動法あるいは電顕レベルでのTUNEL法で行った。bcl-2ノックアウトマウスでは同週令の正常マウスと比較して、明らかに子宮内膜腺や筋層の発育不全が顕著であった。電顕的にはbcl-2ノックアウトマウスの子宮内膜や筋層にはアポトーシスに陥った内膜腺細胞や平滑筋細胞が多数観察された。以上のことからbcl-2は子宮においてもアポトーシスを抑制する重要な蛋白であることが明らかになった。Fasの発現は増殖期の子宮内膜腺細胞のゴルジ装置や管腔側の細胞膜に見られ、分泌期には管腔側の細胞膜あるいはゴルジ小胞に強い発現が観察された。一方、Fas-ligandは間質のリンパ球あるいは管腔側の細胞膜上に見られ、分泌期に最も発現が強かった。以上のことから増殖期にゴルジ小体で糖鎖など修飾を受けたFasはゴルジ小胞により細胞膜上に移動し、autocrineあるいはparacrineによりFas-Fas-ligandを介してアポトーシスが誘導されるのではないかと考えている。DNA断片化については分泌期にladderが認められたが、電顕的にTUNEL法により、アポトーシス細胞の出現に先だって、すでに増殖期後期からDNA断片化が始まっていることを証明した。
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