研究課題/領域番号 |
08671943
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福田 諭 北海道大学, 医学部, 助教授 (20125347)
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研究分担者 |
古田 康 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (60261301)
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キーワード | ウイルス潜伏感染 / HSV / VZV / RT-PCR法 / 顔面神経膝神経節 / 前庭神経節 / セロイジン標本 / RNA |
研究概要 |
はじめに、この研究の一つの大きな骨格であるヒト側頭骨の検索について、開頭許可を承諾して頂いた剖検例がここ数年に比べて非常に少なく、従って摘出できた側頭骨もすくなかった事をまず記さなければならない。既にラセン神経節、膝神経節、前庭神経節においてPCR法でHSV-1核酸の検出が確認されていたが、潜伏感染→再活性化を確認するために摘出側頭骨の右側のラセン神経節、膝神経節、前庭神経節を通常のホルマリン固定、パラフィン包埋し、また左側のラセン神経節、膝神経節、前庭神経節はEMEM培地中で3〜5日間培養した後に同様にホルマリン固定、パラフィン包埋して、分子に生物学的HSV、VZV核酸の検出に左右で差が認められるかどうかに焦点をおいた。例数が少ないために現在、検討中である。 また潜伏感染→再活性化・発症にいたるまでの過程を明らかにするためには、実際に耳疾患に罹患した症例の検索が必要である。セロイジン包埋ヒト側頭骨標本は、以前から様々な耳疾患についての形態学的研究のために利用されてきている。このため分子生物学的検索をセロイジン標本についても検討した。すなわち既往歴のはっきりした1972年から1985年までに作製されたセロイジン包埋ヒト側頭骨切片より部位として前庭を選び、この切片からRNAを抽出しRT-PCR法を用いて解析するための必要な条件について検討した。その結果セロイジン1枚分の前庭組織および最も古い1972年の標本からα-tubulinの抽出が可能であった。以上より実際に実際に耳疾患に罹患した症例のヒト側頭骨標本について、RNAの抽出およびRT-PCR法を用いたRNAの解析が可能であり、今後の病態解明に利用できると考えられた。
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