研究概要 |
1995年3月から1997年10月までの症例の登録状況についてみると合計77例で、CBDCA群38例,CDDP群39例である。CBDCA群では38例中,完遂例は32例で副作用による中止1例,脱落不適格5例である。完了例は両群併せて62例であるが,部位別では喉頭が35例で最も多く,次いで下咽頭14例,中咽頭12例,口腔1例である。病期別ではI期はなくII期:27例,III期:21例,IV期:14例である。不敵格例は10例あるが,その内訳は姑息的治療:3例,投与回数不足:3例,途中で治療拒否:2例,Ccr↓で投与不可能:1例,Stage不適格1例である。副作用により中止した5例の内訳はCDDP群が4例,CBDCA群が1例で,副作用の内容はCcrの低下および皮膚または粘膜炎(grade2-3)が2例,Ccrの低下のみが2例,尿量減少1例である。grade3以上の副作用は19例にみられた。その内訳は悪心・嘔吐:2例(CDDP:2例),皮膚・粘膜炎12例(CDDP:7例,CBDCA:5例),白血球減少3例(CDDP:1例,CBDCA:2例),血小板減少2例(CBDCA:2例)と薬剤の特徴が現れている。次に治療経過についてみると,喉頭癌では照射+CBDCA→再発なし:16例,照射40Gy+CBDCA→手術→再発なし:1例(T_4N_<2c>)であり,照射+CDDP→再発なし:7例,照射+CDDP→再発あり→手術1例,照射40Gy+CDDP→手術は6例あり,その内訳は再発なし:1例(T_3N_1),再発あり:4例(T_4N_<2b>→肺転移,T_4N_0→頸部転移)である。中咽頭癌では照射+CBDCA→再発なし:5例,照射40Gy→手術→再発なし:2例(T_3N_<2a>)であり,照射+CDDP→再発なし:3例,照射+CDDP→再発あり:1例(T_2N_0)1例である。下咽頭癌では照射+CBDCA→再発なし:1例(T_2N_0),照射40GY+CBDCA→手術→再発なし:4例(T_3N_0,T_2N_1),照射+CBDCA→再発あり→手術1例(T_2N_1),照射+CDDP→再発なし:3例(T_3N_0,T_2N_1),照射40Gy+CDDP→手術→再発なし:4例(T_3N_1,T_2N_1)である。
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