研究課題/領域番号 |
08671955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
渡辺 行雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10108037)
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研究分担者 |
浅井 正嗣 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50159357)
将積 日出夫 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (60187507)
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キーワード | 姿勢制御 / 視覚外乱 / 視覚前庭経相互関与 / 立ち直り反射 / 前庭脊髄反射 |
研究概要 |
本研究は、視覚外乱による姿勢制御に関する研究であり、研究過程は視刺激による反応評価と姿勢制御への評価に2分される。本年の研究計画から、まず視覚外乱の至適刺激とその評価方法を確立した。視刺激は視運動刺激装置(半球型スクリーン)および大型TVスクリーンとし、何れもコンピュータ制御で刺激速度を設定する。また、TVスクリーンでは任意の刺激パターンを設定できる。眼運動は前置増幅器から直接コンピュータに取り込み、視刺激による発現する中心窩型および周辺視野型の発現状況を分析した。姿勢制御に影響を与えると考えられる、周辺視野型眼振が多数発現する刺激形態は半球型スクリーンでは小円球によるランダムドット、TVスクリーンでは境界明瞭な小矩形パターンであり、眼振緩除相と急速相の相関関係から周辺視野型眼振の発現量を定量化した。 姿勢制御は、重心動揺計および動的体平衡検査装置で評価し動揺面積、動揺周波数分析、ベクトル分析、左右足圧移動速度(strength)により評価した。正常被験者による対象では、視覚外乱により前庭負荷刺激より軽度であるが、前庭刺激負荷に類似した姿勢調節の障害が観察された。また、一側前庭障害患者では視覚外乱によりstrength左右差がみられる症例があったが水平移動刺激に対して軽度であり、次年度研究で視刺激の形態および刺激量との関連を追求する。現時点で視覚外乱が前庭刺激と同様の姿勢調節機構への影響があり、さらに、左右足の反応差が確認された点は、視覚-前庭相互関与に関連して興味深い結果であった。
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