本研究は、吃音発生時の声門レベルの異常に焦点をあて、低周波電流が吃音発生の抑制にどのように関与するかを検討することを目的としている。 本年度は、まず低周波電流刺激装置を入手して刺激実験技術を身につけ、吃音抑制に有効に働く低周波の検出と測定を試みることを目的とした。干渉低周波電気刺激装置は、日本メデイックス社製SD-5001を購入し、本刺激装置を用いての設定基準の検討を始めた。従来、本装置の導子は肩や腰などの比較的広い部分に使用されていたので、吸着導子が大きいものが主流であった。そこで、最初に吸着導子の選択を行った。本装置に附属している吸着導子は今回の実験では大きすぎたので、特別注文にて直径1.5cmのものを作成した。しかし、今回の実験では平坦な皮膚部分ではないところが多いので、最小吸着導子も十分に吸着しなかった。そこで、皿電極のようなものをさらに検討中である。 また、同時に電気刺激装置を用いての実験手法の習得も開始した。周波数の設定は、電気刺激実験にとって重要である。対象者に対して痛みをあまり感ぜずにしかも神経を麻痺させる周波数設定を検討中である。 さらに、電気刺激実験をビデオによって録音、録画して評価予定であるので、ビデオを購入しその操作方法を習得した。評価手順については、吃音治療研究で知られる森山晴之先生(国立リハビリテーションセンター)より専門的知識の提供を含めて、関連の論文を紹介していただいた。
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