研究課題/領域番号 |
08671961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北野 博也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20153108)
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研究分担者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 助教授 (20207533)
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (40079736)
矢沢 代四郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60127040)
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キーワード | PCR / 分子生物学 / メニエール病 / 内リンパ水腫 / バソプレッシン / オキシトシン / ラット |
研究概要 |
メニエール病の本態である内リンパ水腫の原因については、内リンパ液吸収障害説や内リンパ増加説等があるが未だ結論はでていない。諸説ある中で、共通していることは、内耳における水代謝の異常が関与していることである。そこでわれわれはまず内耳水代謝機構を明らかにするべく、その作動ペプチドについて研究した。 方法として、RT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction)法を用いた。具体的には、ウィスター系ラット内耳よりTotal RNAを抽出した。その後、逆転写酵素を用い、相補的DNAを合成した。脳下垂体後葉ホルモンであるバソプレッシンとオキシトシン並びに、それらのレセプターの内耳での、遺伝子発現の有無を、PCR法を用いて検討した。目的としたバンドが得られた事を確認した後Subsequenceを行い、遺伝子配列を確認した。次に、免疫組織化学法を用いた。ウィスター系ラットの側頭骨を潅流後、摘出し、固定、脱灰、ゼラチン包理後20μmに連続切片を作製した。一次抗体として抗バソプレッシン及び抗オキシトシン抗体を使用、二次抗体として、ビオナン化抗兎抗体を使用した。ABC法にて、反応させた後DABにて呈色させた。 その結果RT-PCR法にてバソプッシンとオキシトシンそのもののmRNA遺伝子の発現は、認められなかったが、これらのレセプターのmRNA遺伝子の発現を認めた。抗バソプレッシン並びに抗オキシトシン抗体を用いた。免疫組織化学法では、染色されなかった。これらの実験的事実は、バソプレッシンとオキシトシンが、systemic hormoneとして内耳水代謝に関与している事を示唆している。
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