研究課題/領域番号 |
08671961
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北野 博也 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20153108)
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研究分担者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 助教授 (20207533)
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経生物学研究センター, 教授 (40079736)
矢沢 代四郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60127040)
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キーワード | メニエール病 / 分子生物学 / 内リンパ水腫 / 利尿ホルモン |
研究概要 |
内耳水代謝作動ペプチドに関するわれわれの研究は、抗利尿ホルモンパバソブレッシンから始まり、現在では脳下垂体後葉ホルモンであるオキシトシン、神経調節因子としてのVIP(vasoactive intesinal polypeptide)、Na利尿ホルモンファミリーであるANP、BNP、CNPが内耳水代謝にいかに関与しているかを調べるまで発展してきた。 具体的には、メニエール病の原因とされている内リンパ水腫発症に関与する可能性のあるこれら神経ペプチドないしは受容体の内耳での存在を明らかにしたことである。また、ストレスによって引き起こされると推定される長期間にわたる血漿中バソブレッシンの上昇は、バソブレッシンのレセプター数の減少で調整されていると考えられたが、急激なバソブレッシンの上昇は主としてCNPで調節されている可能性の高いことも分子生物学的手法を用いて明らかにした。これらの実験的事実は、先程述べたメニエール病の原因と考えられている内リンパ水腫が、この内耳水代謝恒常機能の異常によりもたらされる事を示唆している。 今後は、これまでの研究で明らかとなった研究結果を更に発展させ、ストレスとの関係や内分泌ホルモンとの関係まで具体的に研究するつもりである。また、今回の一連の研究ではメニエール病の治療に直接結びつく所までは至らなかったが、これらの実験結果を基に、生活指導を中心としたメニエール病に対する新たな治療方法の開発も予定している。
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