1996 年度実績報告書

自己免疫異常に起因する感音難聴の検討、特に血清学的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号	08671974
研究種目	基盤研究(C)
研究機関	鹿児島大学
研究代表者	花田武浩鹿児島大学, 医学部, 講師 (70198779)
研究分担者	福田勝則鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90156779) 花牟礼豊鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40145496)
キーワード	自己抗体 / 自己抗原 / 内耳 / 感音難聴 / 原田病
研究概要	異種内耳組織由来の抗原(モルモット、豚)を用いて、自己免疫異常が関与すると考えられる感音難聴症例での自己抗体を検索した。葡萄膜に対する自己抗原を有する原田病患者で難聴や眩暈などの症状を呈している患者では、内耳組織由来の抽出抗原に対しての自己抗体を有していた。内耳由来組織中の18kD、28kDの蛋白が(自己)抗原として存在している可能性が示唆された。一方、同じく原田病患者でも難聴や眩暈を有さない患者では、内耳組織に対する抗体は有していなかった。また、一部の自己免疫の関与が強く疑われる感音難聴患者では、18kDの蛋白に対する自己抗体を有していた。低音障害型感音難聴患者と自己免疫異常の関連を検討したが、自己抗体は検出できなかった。また低音障害型難聴89症例の疫学的検討を行ったが、自己免疫疾患の合併を有する症例は存在せず、低音障害型感音難聴への自己免疫異常の関与の可能性は低いと判断された。さらに、現在各種感音難聴患者における自己抗体の存在を検討中である。