異種(豚、モルモット)内耳組織(蝸牛、前庭)を抗原として、自己免疫異常の関与すると考えられる感音難聴患者血清中の自己抗体を検討した。感音難聴の病像完成までの期間によって患者群を分類した。いずれの群においても、25kD、45kD、50kDの分子量蛋白を抗原として認識する(自己)抗体を有していたが、感音難聴が出現し徐々に進行する患者では加えて68kDの抽出蛋白に対する(自己)抗体を有していた。また急速に発症し感音難聴が完成する患者群では、80kDの蛋白を認識する(自己)抗体を有していることが判明した。また内耳を蝸牛部分と前庭部分に分けて抽出した蛋白相互の交差抗原性が確認された。また内耳組織と各臓器抽出蛋白との共通抗原性を検討したが、内耳と大脳抽出蛋白の間にも共通抗原性が認められた。 自己免疫異常の関与が考えられる感音難聴患者のELISA法を用いたスクリーニングシステム測定系の実用化を試みている。
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