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1996 年度 実績報告書

唾液分泌障害をきたす唾液腺疾患の免疫組織化学的並びに微細形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671986
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京女子医科大学

研究代表者

吉原 俊雄  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90220714)

研究分担者 佐藤 美知子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20266802)
森田 恵  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90246596)
キーワード口内乾燥症 / 唾液腺 / 三次元構築 / 電子顕微鏡 / シェ-グレン症候群 / 老化
研究概要

耳鼻咽喉科の日常診療において口内乾燥を訴えて来院する患者は多く、その原因疾患は多岐にわたる。シェ-グレン症候群の他、薬物連用や加齢による唾液分泌低下によるものが挙げられるが、本研究では加齢に伴う唾液分泌量の変化や唾液分泌量と口内乾燥感の関係、さらに耳下腺組織の変化について光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡的に検討すると共に腺実質・導管・血管・脂肪組織の関係についての三次元構築を行ない以下の結果を得た。
1.過去4年4カ月間口内乾燥を訴えて受診した患者のうち耳下腺腫瘍手術、癌化学療法、頭頸部放射線療法を施行したものを除く224例を対象に唾液腺疾患の有無を検討したが、シェ-グレン症候群が最多で、次いで明らかな疾患のみられないもの、糖尿病その他全身疾患を有するものの順であった。また疾患の認められない51例についてガムテストによる唾液分泌測定を行ない、40歳〜60歳では9/27、60歳以上では3/15に唾液分泌低下を認めた。2.耳下腺腫瘍、頭頸部腫瘍手術を行なった61例(男性35、女性26例)の正常耳下腺組織について腺実質残存率について検討したところ、男女共加齢と共に残存率の低下を示し、とくに女性に年齢との相関が高かった。3.耳下腺組織の連続切片を作製し三次元構築コンピューターソフトウェアにて腺実質、血管、導管、脂肪組織の立体構築を行なった。腺実質の体積が減少し脂肪変性が進んだ高齢者の構築像からは腺房細胞が減少しているにもかかわらず導管の起始する数、占める体積は増加を示す。腺房細胞は減少するが腺房から始まる導管は残るため相対的な導管の増加と考えられた。4.電子顕微鏡による観察では加齢と共に腺房細胞分泌顆粒の減少、腺房・筋上皮・導管系細胞内のリポフスチン顆粒の増加がみられた。分泌正常の高齢者で減少している腺房細胞の形態が保持されているものがあり分泌予備能が存在すると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉原俊雄: "高齢者の流涎症" 日本医事新報. 3751. 136-137 (1996)

  • [文献書誌] 吉原俊雄: "耳下腺oncocytomaとmalignant oncocytomaの2症例" 日本唾液腺学会誌. 37. 22-24 (1996)

  • [文献書誌] 森田 恵: "ヒト耳下腺の加齢変化における組織学的ならびに三次元構築による検討" 東京女子医科大学雑誌. 66. 393-401 (1996)

  • [文献書誌] 吉原俊雄: "口内乾燥症例と耳下腺の加齢変化に関する検討" 日本口腔咽頭科学会誌. 9. 98 (1996)

  • [文献書誌] 吉原俊雄: "唾液腺疾患の形態からみた病態" 日本耳鼻咽喉科学会会報. 99. 1596-1597 (1996)

  • [文献書誌] 吉原俊雄: "Dumb-bell型,副咽頭間隙型耳下腺多形腺腫の切除法" 日本口腔咽頭科学会誌. 8. 193-201 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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