研究課題/領域番号 |
08671991
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
加藤 功 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90018375)
|
研究分担者 |
佐藤 茂樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30225940)
|
キーワード | 視運動性眼振 / 逆行性標識物質 / dextran fluorescein / dextran tetramethyl rhodamine / diamino yellow / 視索核 / 舌下神経周囲核 / 下オリーブ |
研究概要 |
ネコ視蓋前域の視索核(NOT)は脳幹における視運動性眼振(OKN)の第一次中継核と考えられる。順行性の標識物質をNOTに注入すると下降線維は下オリーブ(IO)、dorsl cap、舌下神経周囲核(NPH)、内側前庭核(mVN)に認められた(Watanabeら、1994)。これらの下降線維がNOTより各々別々に下降するのか、側副枝で同一細胞が複数の核に分枝するのか逆行性標識物質で染色した。 〈実験方法〉 腹腔内ネンブタール麻酔でネコを固定器に固定し、後頭蓋を外した。その後小脳を吸引して第四脳室底が明視出来るようにし、標識物質を注入した。 実験1:25%dextran fluoresceinをmVN、25%dextran tetramethyl rhodamineをNPHに注入した。 実験2:25%dextran tetramethyl rhodamineをNPH、diamidino yellowをIO、dorsal capに脳定位方法で注入した。 〈結果〉 実験1:NPHからの発色細胞はNOTの前後にほぼ均一に認められた。mVNからはNOTの中部に主に認められ、両者の二重染色は認められなかった。 実験2:NPHからNOTへの投射は前後においてほぼ均一に認められた。IO、dorsal capからの投射は現在検討中である。 〈まとめ〉 NOTからの下降路の内NPH、mVNの間で二重染色された細胞は認められなかった。これはmVNがOKNに関係した唯一の最終核で、NPHは両前庭核への豊富な線維結合があることより積分器としてフィードバック回路を形成しているのかもしれない。IOとNPHとは7%位二重染色がNOT内であると報告されている(Magninら、1983)。しかしサルIOのOKNへの反応様式からみてOKNには直接関係なく、視性による登上線維を介した学習に関係するのかもしれない(Fuchs、1994)。
|