| 研究概要 |
本研究は臨床応用の基礎として正常者における体壁振動の生理学的研究を行い,この分野での研究の発展に資することを目的とする。このため、次の研究項目を中心に実験を行う。
1)持続発声中の体壁振動について、身体各所における実効値と周波数構造の分析を行い、特に周波数帯域別のパワー分布の違いを明らかにする。
2)さらに発声時体壁振動と口腔咽頭内圧を同時測定することでこの両者間の相互関係を明らかにする。
以上により各母音、子音の構音機構、特に口腔咽頭内圧が体壁振動に及ぼす影響について解析する。
1)平成8年度は、現有の振動解析プログラムに加え、今回購入したソフトウエア「ビスタス」により、声楽的訓練を受けていない者を対象として周波数帯域別の振動パワーを計測した。
2)平成9年度は、歌手を対象として同様の実験を行った。
3)平成10年度は、喉頭疾患の患者を対象として同様の実験を行う予定である。
被験者に持続発声をおこなわせ、圧電型加速度振動子(RION PV85B)5個、多チャンネル振動計測ユニット(RION UV01,UV02,UV10)を用いて顔面壁および前胸部5カ所から発声時体壁振動を導出する。同時に口腔内圧を超小型圧トランスジューサCAMINO420を用いて測定する。得られたデータはカセットデータレコーダ(XR-50H,TEAC)に記録し、実効値分析とシグナルプロッセサによる波形分析を行う。この際に1)のソフトウエアを用いてパワー分布を計測する。
正常者、歌手の結果と比較検討する。
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