1. プラスミンのみあるいはフッ化硫黄ガスのみを家兎硝子体に注入すると、走査電子顕微鏡による観察で網膜上に硝子体線維が遺残し、後部硝子体剥離は作成できなかった。 2. プラスミンとフッ化硫黄ガスを硝子体に注入すると、細隙灯顕微鏡検査などの眼科検査においてはヒトの後部硝子体剥離と類似する所見が観察され、また走査電子顕微鏡による観察では網膜表面は平滑で硝子体線維の遺残はみられなかった。従って、プラスミンとフッ化硫黄ガスを投与することにより後部硝子体剥離を作成できることが明らかとなった。 3. プラスミンとフッ化硫黄ガスの硝子体注入は、光学顕微鏡と透過電子顕微鏡による観察において網膜および周囲組織に明らかな障害を及ぼさなかった。 4. 後部硝子体剥離が網膜血管新生の抑制に有効であるか否かについては、今後の更なる検討課題である。
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