平成9年度は主に臨床疾患で長波長中波長錐体網膜電図(LM-cone ERG)、短波長錐体網膜電図(S-cone ERG)を記録した。種々の臨床疾患でon双極細胞とoff双極細胞の障害のアンバランスが見られた。完全型先天性停止性夜盲(CSNB)ではon双極細胞が障害され、LM-cone ERGのb-waveが減弱し、S-cone ERGも消失していた。不全型ではLM-cone ERGのα波が減弱しoff双極細胞の障害が示唆された。またFishmanの報告した片眼性夜盲では片眼性夜盲でもLM-cone ERGのb-waveが減弱し、on双極細胞の機能不全が疑われるが、S-cone ERGは正常に近く、完全型OSNBとは異なった特性を持つことが分かった。
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