研究課題/領域番号 |
08672032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉富 健志 北里大学, 医学部, 助教授 (60191623)
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研究分担者 |
大塚 紀佳 北里大学, 医学部, 助手 (80265579)
春野 功 北里大学, 医学部, 助手 (10286255)
石川 均 北里大学, 医学部, 講師 (80265701)
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キーワード | 眼動脈 / 後毛様動脈 / 眼循環 / 緑内障 |
研究概要 |
正常眼圧緑内障の病態には視神経の循環が関与することが示唆され、眼循環がどのように制御されているかという研究は臨床的にも非常に重要と考えられるようになった。我々は先にウシの眼動態を用いた実験を開始し、血管を弛緩させる非アドレナリン非コリン作動性の神経支配があることを見いだした。今回我々はまずウサギ眼球より後毛様動脈を摘出、摘出した血管より実体顕微鏡下で血管平滑筋条片を作成し、等尺性収縮記録法を用いて張力を測定した。矩形波パルス通電を潅流槽中に一対の塩化銀電極を導入し、フィールド刺激とした。ウサギ毛様体筋は高K溶液によって収縮し、カルバコール投与によって弛緩した。カルバコールによる弛緩はNO合成酵素阻害剤L-NAMEによって抑制されたので、内皮依存性のNOによる弛緩だと考えられた。この血管はHistamineによっても収縮するが、これは他の血管平滑筋とは異なる性質である。収縮にはH1受容体が関与していると考えられた。Histamine存在下でフィールド刺激を行うと弛緩が出現した。この弛緩はテトロドトキシンによって消失するので神経原性のものと考えられた。弛緩反応はアトロピンやα、β受容体遮断薬では変化なく、ウシと同様、非アドレナリン非コリン作動性の血管弛緩神経支配と考えられた。この弛緩はL-NAMEを前処理することによって著明に抑制された。以上によりウサギにおいては後毛様動脈はNOを伝達物質とする神経支配の存在が示唆された。
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