研究概要 |
本研究課題である「網膜・脈絡膜循環動態のシミュレーション・モデルの構築」を目標として,平成8年度は下記の研究成果を得た. 1.網膜中心血管の3次元解析 眼内網膜中心血管の立体形状の再構成を企図し,視神経乳頭部の濃度変化の相互相関係数を対応点探索に用いて,立体眼底写真の再構成を行ったところ,網膜中心血管は視神経乳頭陥凹形状と良好に対応することが明らかとなった。 2.生体眼の網膜・脈絡膜循環の自動調節機構に関する血流情報の収集 高眼圧群,正常眼圧群の2群について,視神経障害進行例と不変例(非進行例)に分類し,超音波Color Doppler法を用いて網膜中心動脈,後毛様動脈,眼動脈の血流速度測定を行ったところ,正常眼圧群の視神経障害進行例は非進行例と比較し有意に血流速度低下を示し,高眼圧群では進行例と不変例との間に有意差は認められなかった.
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