研究概要 |
1.季節,天候が異なる条件における照度および紫外線B波量の測定 照度,紫外線量は季節,時間,天候で大きくことなり,照度は晴天時:16,000-100,000lux以上,曇天時:12,000-22,000lux,雨天時:5,000-10,000luxであった.紫外線量は夏期(5月-8月)の紫外線量は冬期(11月-2月)の約二倍で午前10から午後1時までの時間帯の紫外線量が多かった. 2.照度変化にともなう眼瞼・瞳孔径の測定装置の試作 ゴールドマン視野径内部に100-35,000luxの範囲内で照明される装置を組み込み,OCDカメラで観察記録された眼瞼,瞳孔の動きを定量化する装置を自作した. 3.健常者眼瞼,瞳孔径の変動 健常者瞳孔径は室内照明環境では3mm前後,屋外照明下では2mm前後を維持していた.健常人では曇天時でも屋外では瞳孔径は2mm前後で紫外線が水晶体に到達する光路は広くないことが明らかとなった. 4.種々のサングラス装用による眼瞼,瞳孔径の変化 紫外線を吸収しない粗悪なサングラスは瞳孔・眼瞼の拡大を招き、有害な紫外線をより眼内に照射させ得る可能性も示唆された.市販サングラスの紫外線透過特性は今回検討したサングラスの内17/21(80%)は380nm以下の紫外線透過率は0%であったが,一部は紫外線を最大32%透過するものも見られ、商品の値段と紫外線透過率には相関はなかった。紫外線被曝予防には側方よりの光が除去されるサイドプロテクター付のものが有効であった. 5.家兎眼角膜表面上での紫外線被曝分布 家兎を太陽と正対させたときの角膜表面上での紫外線被曝量は眼瞼近傍の約1/2で,その分布は鼻側下方の被曝量が多かった.
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