研究概要 |
1.気象条件の異なる三地域(北海道、石川、沖縄)での初発白内障症混濁局在部位は地域差を認めた. 2.マネキン眼表面での紫外線線量計の試作:マネキンの眼周辺部に4×4mmの紫外線センサーを設置し,紫外線量測定の結果,眼部の被曝量は他の顔面に比して低かった.眼鏡装用による紫外線被曝軽減効果は約5%であった. 3.角膜表面上の紫外線被曝量と分布:紫外線被曝で変色するPolysulphoneを素材にコンタクトレンズ型紫外線測定装置を試作し,角膜表面上の紫外線分布を測定した.紫外線被曝量は眼瞼近傍の約1/2で,その分布は鼻側下方の被曝量が多かった. 4.紫外線吸収コンタクトレンズ装用による眼紫外線被曝軽減効果:家兎の片眼に紫外線吸収コンタクトレンズを装用し、67mJ/cm^2の紫外線を繰り返し照射した結果、コンタクトレンズ非装用眼では角膜上皮・内皮細胞障害、角膜浮腫が観察されたのに対して、コンタクトレンズ装用眼ではこの変化が抑制されていた。 5.照度変化にともなう眼瞼・瞳孔径の測定装置の試作:眩しい光に対する縮瞳および眼瞼の狭窄と紫外線被曝量を検討するために,ゴールドマン視野径内部に100-35,000luxの範囲内で照明される装置を組み込み.OCDカメラで観察記録された眼瞼,瞳孔の動きを定量化する装置を自作した. 6.健常者眼瞼.瞳孔径の変動:健常者瞳孔径は室内照明環境では3mm前後,屋外照明下では2mm前後を維持していた.健常人では曇天時でも屋外では瞳孔径は2mm前後で紫外線が水晶体に到達する光路は広くないことが明らかとなった. 7.紫外線の白内障混濁進行作用:種々の実験白内障モデルに紫外線を負荷すると混濁進行が加速された.
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