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1996 年度 実績報告書

磁気神経刺激法を用いた小児脊髄・骨盤神経機能検査法の確立とその臨床的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08672058
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

窪田 正幸  九州大学, 医学部, 講師 (50205150)

研究分担者 水田 祥代  九州大学, 医学部, 教授 (30038856)
キーワード磁気刺激法 / 仙骨神経 / 陰部神経 / 外肛門括約筋 / 直腸肛門奇形 / ヒルシュスプルング病 / 家兎 / 神経筋伝達
研究概要

平成8年の基礎的並びに臨床的検討により以下の研究成果を得た。
《基礎的検討》(実験方法:筋電図・誘発電位記録法)
研究細目:家兎を用いた適切な磁気刺激部位・条件の検討
磁気刺激装置:磁気刺激装置SMN-100、8の字型磁気コイルYM-111B(日本光電製)
筋電図記録:誘発電位・筋電型MEM4204(日本光電製)
結果:体重3kg前後の4匹の家兎を用い、経静脈的ネンブタール麻酔下に外肛門括約筋筋電図(外括筋EMG)を記録した。仙骨部刺激磁気刺激では、明瞭な2相性反応が記録され、その平均潜時は2.45±0.84msecで、S3レベルで最も振幅が大きかった。胸椎・腰椎刺激でも明瞭なEMGが記録されたが単相性で、潜時は腰椎、胸椎部でそれぞれ6.8±1.1、9.7±1.6msecであった。一方、頚部では再現性はなるものの振幅が著明に低下し、頭部刺激ではEMG記録が困難であった。磁気刺激により胸椎以下では明瞭な反応が得られるものの、従来より施行している経直腸壁陰部神経電気的刺激による外括筋EMG(発生潜時;1.48±0.32msec)と比較した場合、磁気刺激法では標準偏差が比較的大きく、刺激の有効性に個体差があるものと考えられた。しかし、磁気刺激法は非侵襲的で脊髄神経機能検査法として有用であり、外括筋は刺激閾値の異なる神経線維群より構成されていることが明らかとなった。
《臨床的検討》
研究細目.磁気刺激を用いた小児外科疾患における陰部神経機能の検討
結果:現在まで、正常小児12例の検討を行ったが、磁気刺激は家兎よりも有効でなく、明瞭な反応が認められるのは、腰椎より以下のレベルであった。直腸肛門奇形症例8例での検討では、経直腸壁陰部神経刺激にて外括筋EMGの認められなかった高位型3例において、仙骨部磁気刺激により外括筋EMGが記録でき、従来の経直腸壁陰部神経刺激法と精髄磁気刺激法との組み合わせにより、詳細な陰部神経機能検索が可能であった。また、脊髄磁気刺激法を用いることにより術前に外括筋EMG記録が可能となり、術後の排便機能障害を評価する上で有用であった。
現在、ヒルシュスプルング病や慢性便秘などにおいても検討を進めている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 窪田 正幸、水田 祥代、上村 哲郎、生野 久美子: "誘発電位よりみた胆道閉鎖術後症例における脊髄感覚神経機能の研究" 日本外科学会雑誌. 97. 63- (1996)

  • [文献書誌] 窪田 正幸、水田 祥代、上村 哲郎、生野 猛、生野 久美子: "胆道閉鎖肝移植例における誘発電位よりみた脊髄神経機能回復の検討" 日本小児外科学会雑誌. 32(3). 540- (1996)

  • [文献書誌] 窪田 正幸、水田 祥代、上村 哲郎: "ヒルシュスプルング病における仙骨神経機能に関する研究" 日本小児外科学会雑誌. 32(3). 656- (1996)

  • [文献書誌] M.Kubota,T.Kamimura,S.Suita: "External anal sphincter dysfunction and postoperative bowel habits of patients with Hirschsprung's disease." J.Pediatr.Surg.32(1). 22-24 (1997)

  • [文献書誌] M.Kubota,T.Kamimura,S.Suita: "Abnormalities in visceral-evoked potentials from the anal canal in children with chronic constipation." Surgery Today (accepted). (1997)

  • [文献書誌] M.Kubota,S.Suita,T.Kamimura,K.Shono: "Evoked potential abnormalities in post-operative patients with biliary atresia." Pediatric Neurology. (accepted). (1997)

  • [文献書誌] T.Kamimura,S.Suita,M.Kubota: "Functional innervation of the aganglionic segment in Hirschsprung's disease : A comparison of the short and long segment type" J.Pediatr.Surg.(accepted). (1997)

  • [文献書誌] M.Kubota,S.Suita,T.Shono: "XXX World Congress of the International College of Surgeons (eds) O.Abe,K.Inokuchi,K.Takasaki" Evaluation of QOL in patients with anorectal malformation associated with sacral deformity., 5 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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