研究課題/領域番号 |
08672062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
豊坂 昭弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20068498)
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研究分担者 |
中井 謙之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50198024)
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キーワード | Hirschsprung病類縁疾患 / hypoganglionosis / immaturity of ganglia / meconium ilcus / meconium disease |
研究概要 |
Hirschsprung病類縁疾患の中で、教室で経験しているhypoganglionosis及びimmaturity of ganglia症例について、臨床病理学的、形態学的及び電気生理学的に検索し、その病態と診断・治療について検討を加えた。また、全国的な本症に関するgroup studyの解析も行った。 1)Immaturity ganglionosis(壁内神経細胞未熟症)12例について解析したが、いずれもmeconium disease症例であった。新生児期の腸管切除標本の検索では、壁内神経叢内の神経細胞数は十分認めるが、狭小部小腸のみならず拡張腸管も神経細胞が著しく小型で未熟性を示した。しかし腸瘻閉塞時は著しい成熟を示した。また新生児期では直腸肛門反射は陰性を示したが、腸瘻閉鎖時は陽性化した。これらimmature ganglionosisを示すmeconium diseaseは良好な予後を示した。 2)Hypoganglionosis(壁内神経細胞減少症) microcolon〜small colonを示し、Ach-E活性は正常で、初回開腹所見で75%にmeconium diseaseの形態を示した。切除腸管の病理所見で壁内神経細胞の著しい減少(1/5〜1/10)を示し、また新生児期では著しい未熟性を示したが、経時的に神経細胞は増大をし成熟化を示した。しかし数の増大はなく、神経叢は著しい低形成を示した。病変範囲は大腸以上の広範囲で腸瘻からの排便不良例も多く予後は不良であった。 我々はmeconium diseaseの検討で当初、壁内神経叢の未熟性に起因することを報告してきたが、その後の研究によりmeconium diseaseはimmature ganglionosisのみならずhypoganglionosisを含むH病類縁疾患の一般的病態と考えている。
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