本学所蔵の口腔前癌病変20例、癌症例10例の各H-E標本を作成し、切片上で最も異型度の高い部分を1〜3度に分類するとともに、その範囲を切片上にマークした。次に抗ヒト変異p53抗体および抗ras蛋白質抗体を用いてABC法による免疫組織化学的に変異p53およびras蛋白質の異常産生と蓄積を検索した。 次いでパラフィン切片から異型上皮部分を採取し、DNAを抽出した。p53遺伝子ORFのうちエキソン5、6、7、8、ras遺伝子に対応するPCRプライマーを依託合成し、PCR増幅を行った。現在、各PCR産物について SSCP解析を行っている。 将来は、SSCP解析にて変異がみられた例について、ジゴキシゲニン染色法による直接シークエンシングを行う予定である。
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