研究概要 |
口腔組織発生過程におけるアポトーシスを観察するために、TUNEL法および電子顕微鏡による観察を行い、同時にアポトーシス関連遺伝子であるc-fosとp21/waf-1の局在とを比較検討し以下に示す結果が得られた。 1.ラットの口腔組織発生過程をTUNEL法および電顕的に観察すると、口蓋癒合部、蕾状期から帽状期にかけての歯胚、上皮の落屑部、軟骨消失部、歯胚の発生過程などで、明らかなアポトーシスが観察された。 2.c-fosの局在は、上皮の角質層、歯胚の一部、口蓋軟骨およびメッケル軟骨周囲、odontoblast、一部の骨芽細胞などに観察され、p-21/waf-1の局在は上皮の有きょく層上部から顆粒細胞層、骨芽細胞、odontoblast,cementblastなどで観察された。これらことから、c-fos,p21/waf-1いずれも細胞の分化に関与しているが、c-fosがより終末分化に近いところすなわち、よりアポトーシスに近いところで関与していることが示唆された。 現在、同様の方法で歯周組織再生過程におけるアポトーシスの検索を行っている。
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