研究課題/領域番号 |
08672083
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
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研究分担者 |
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
陳 榮光 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00244939)
大沢 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
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キーワード | リンパ管構築 / 5'-Nase / リンパ嚢 / リンパ節 / 静脈角 / 頚リンパ嚢 / 内頚静脈 / 発生 |
研究概要 |
【実験材料および方法】雌ゴールデンハムスター子宮内より胎生7日目、15日目の胎仔を取り出し、浸漬固定後、脱水、パラフィン包埋を施し、4μm厚水平連続切片を作製し、HE染色を施した後、すべての切片の基準点を合わせてコンピューターに画像として入力し、画像解析ソフトVoxel View(IMI Co.)にて三次元再構築を行った。 【結果および考察】胎生7日目で、将来静脈角になる部分に頚リンパ嚢が出現しており、嚢内は血球成分は存在しなかった。しかしながら、5'-Nase染色による鉛沈着陽性の構造物は明らかに認められなかった。HE染色標本上でのリンパ節の形成も明らかではなかった。頚リンパ嚢からの集合リンパ管の伸長もほとんど認められなかった。一方、出生直前の胎生15日目の胎仔では、静脈角に入り込む胸管が認められ、さらに内頚静脈に沿ってリンパ節が配列し、各々のリンパ節を連絡する輸出、輸入リンパ管が完成していることが確認された。輸入リンパ管の末梢には頚部の皮下への集合リンパ管が伸長し、毛細リンパ管の形成が認められた。各々のリンパ管はすべて連絡しており、これまでの結果としてはSabin(1912)が報告しているヒトリンパ系の発生を追認できると考えられるが、この時期の胎仔リンパ管でも、成体で認められる5'-Nase染色の鉛沈着が不明瞭であった。5'-Nase染色の染色性とリンパ管機能の発言との因果関係は不明であるが、生体においてリンパ管が陽性になることから、胎生期おけるリンパ管構築が完成したとしても、成体におけるリンパ管とは異なっていることが示唆された。
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