1:ヒト小唾液腺排泄管(excretory duct)の構築と上皮過形成巣について:組織所見とその病的意義 唾液腺の組織構築や過形成的病変については腺体内導管で詳細に検索されているが、口腔と唾液腺とをつなぐ排泄管に関してはほとんど研究がなされていない。そこでヒト手術材料中に含まれている小唾液腺排泄管を用いてこの点を検討した。 (1)組織構築:管壁は菲薄な上皮層と疎な線維性結合組織層とからなり、口腔粘膜ちかくでの線維結合組織内にリンパ球のび慢性浸潤がみられた。上皮層は内側の円柱細胞と外側の扁平細胞から成る二層性構造を呈していた。 (2)過形成巣:過形成巣はそれらの組織所見から以下のように分類出来た (1)simple hyperplasia (columnar cell hyperplasia) (2)metaplastic hyperplasia (a)muco-columnar cell hyperplasia (b)oncocytic hyperplasia (c)squamous cell hyperplasia (i)acanthotic type (ii)reserve cell-like type with or without dysplasia (3)病的意義:以上のような過形成巣は腫瘍との鑑別診断を要すること、ときにここが腫瘍の発生母地となる可能性があることが示唆された(学会発表済、投稿中) 2:唾液腺におけるmelanocyteの出現について 耳下腺の腺体内導管の上皮層にmelanocyteの出現を初めて見いだした(投稿中)
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