研究概要 |
本年度の研究では,大理石骨病マウスの各種臓器の病理組織所見を得た上で、骨と歯の基本的な組織所見を確立した。まず骨と歯の形成異常のタイプと程度、発現部位を検討し、次に骨と歯の形成細胞および吸収細胞の構造上の異常を調べ、大理石骨病が硬組織の形成にどのような影響をもたらすかを解析した。またこれらの所見を基に、骨と歯の形成と改造において、それらの形成細胞および吸収細胞のどのような細胞内構造が決定的な役割を果たしているかを検討した。 研究方法と結果: ジャクソン社より購入したoc/+マウスの親を繁殖させ,親より生まれる新生児マウス(oc/ocマウス)を実験に用いた。大理石骨病マウス(oc/ocマウス)の大腿骨、上・下顎骨、臼歯、切歯等の試料を,万能型光学顕微鏡、反射電子検出器、画像解析装置、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡で解析した。また腎臓、小腸、胃、中枢神経系等を病理組織学的に調べ、生後3週以内に死亡する原因を検討した。骨と歯については、非脱灰のまま浸透性樹脂に包埋し、反射電子検出器で組織・組成像を観察し,定量的に原素分析した。さらに骨と歯の形成面や組織内部の3次元構造を走査型電子顕微鏡で観察し、基質の形成異常がを調べると共に,透過型電子顕微鏡で骨や歯の形成細胞と吸収細胞の微細構造学レベルでの変化を明らかにした。
|