1:インプラントと組織界面の検索 (1)In vivoによる実験で、上皮組織とインプラントの界面では半接着斑の量が少ないことが示唆された。また結合組織界面では免疫組織化学的にV型のコラーゲンが多い傾向にあることがわかり、炎症に抵抗していることが示唆された。 (2)4種類の表面形状を持つインプラントを動物に植立し、初期(1.2.3.4週)の骨及び軟組織反応を検索し、表面形状により骨の形成過程が異なることを示した。 (3)骨芽細胞と線維芽細胞および上皮細胞を種々なる大きさを持つ基質上で培養した結果3μmを境に細胞が伸展しにくくなることが証明された。 2:恒常性を持つ素材の開発 (1)In vitroにおいて、デキサメサゾンの存在下ではいかなる材料(レジン、プラスチック、脱灰骨など)の上でも骨様象牙質の形成をみた。 (2)In vivoにおいて、歯槽骨・歯牙の窩洞を形成し、その中へ材料を填塞するとレジン系材料の上には硬組織の沈着をみず、TCPやアパタイト系の材料の場合には骨様組織の沈着が見られた。 (3)4-METAレジンは軟組織と約300μm程度ハイブリッドを形成し、さらに少なくとも500μm程度までMMAや加水分解産物が浸透していることが確認された。これらはIn vivoにおいて、創傷の治癒を遅らせ、神経の再生も遅らせることが判明した。しかしDentin bridge形成には関与せず、為害性は少ないと思われた。
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