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トランスゴルジ網様体(TGN)は、ゴルジ装置の最もトランス側に位置するコンパートメントであり分泌の中枢であると考えられている。つまり、TGNで分泌蛋白のソーティング(選別)が行われ分泌顆粒が形成される。近年、それらソーティングの過程にG蛋白質、すなわち、r ab3、r ab6、β cop、γ adaptin等の関与が明らかとなった。本研究課題は、TGNのソーティング機構に関与する分子のトランスロケーションを電子顕微鏡で捉えることに主眼をおき、本年度は次の結果を得た。
1、トランスゴルジ網様体(TGN)における分泌蛋白質のソーティングに関与していると考えられている分子のうちで、アミノ酸配列が明らかとなっているG蛋白分子、r ab3A、r ab3B、r ab6、β cop、γ adaptin、のアミノ酸配列から、親水性で他のG蛋白質と相同性の低い領域を選び、ペプチド合成した。
2、それら合成ペプチドを抗原といてウサギに免疫し特異抗体を得た。
3、TGNのマーカー蛋白質であるTGN38に対する抗体を1と同様な方法で作成した。
4、マウスmonoclonal anti-Golgi 58K蛋白(Sigma Co.)は購入した。
5、現在、マウス顎下腺顆粒管膨大部を材料にして、これらの抗体が分泌細胞におけるゴルジ野のどの部域を認識するのかを免疫電顕で調べるために、材料の固定条件や包埋樹脂の種類等を検討ている。
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