研究概要 |
1.ラット顎下腺の生後発達 ラット顎下腺の生後発達を形態学的に検索した。その結果、出生直後のラット顎下腺は導管部と終末部より形成されていた。導管部は介在部導管と、小葉内導管、小葉間導管より構成されていた。終末部はacinar cell、proacinar cellおよびterminal tubule cellより成り、terminal tubule cellが最も多く観察された。生後2週ではproacinar cellは消失し、終末部はacinar cellとterminal tubule cellより構成されていた。離乳期(21日齢)以降、導管は介在部、線条部、小葉間導管より構成されていた。終末部はacinar cellのみで構成されていた。 2.apoptosisの検索 上記のようにラット顎下腺は生後発達に伴い構成細胞に変化が認められた。これらの細胞変化にapoptosisが関与するか否かをTUNEL法を用いて検索した。その結果terminal tubule cellにapoptosisの出現が観察された。これまで,顎下腺の生後発達に伴う細胞変化に関してapoptosisの関与が報告されていなかったが、今回の検索で、apoptosisが関与する事が確かめられた。 3.estrogen receptorの局在の検索 apoptosisとestrogen receptorの関連を示唆する報告が見られるので、今回顎下腺におけるestrogen receptorの局在をin situ hybridizationで検索した。その結果、estrogen receptorはterminal tubule cellにのみ認められた。 以上のように今年度は顎下腺の生後発達とそれに伴うapoptosisの関与、estrogen receptorの局在を検索し上記の結果が得られた。
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