研究課題/領域番号 |
08672105
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
松尾 雅斗 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30190416)
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研究分担者 |
岸 好彰 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084779)
高橋 和人 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00084707)
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キーワード | GBR法 / SEM / 血管鋳型法 / 微小循環 |
研究概要 |
本研究はGBR後の骨再生と血管構築の関係を組織切片と血管鋳型法と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。実験にはビーグル犬を用い下顎前臼歯を抜歯後、吸収性および非吸収性の2種類のメンブレンを用いて、抜歯窩を覆いGBR手術を行い粘膜骨膜弁を縫合した。術後14、30、60日後に下歯槽動脈より血管注入用合成樹脂を注入し、蛋白分解酵素処理により骨付き血管鋳型標本を作製した。 抜歯窩の治癒が行われる時、歯槽頂縁に存在する骨膜が抜歯窩内方に増殖し抜歯窩をシールする。その結果、上方の口腔粘膜の圧力により再生骨上端は平坦もしくは凹弯する。このことはGBR用メンブレンは細胞遮断のバリアとしての働きに加えて骨膜の位置を補助することで新生骨の量と形態をコントロールすることが可能であると考えられる。 吸収性素材を使用して術後30日、吸収が進行中のメンブレン内に、経の太い骨膜の血管網が侵入していた。この結果60日後、骨の上方添加は対照群よりは認められるものの著しくはなかった。非吸収性素材を使用して術後14日、緻密な新生血管と軽石状の新生骨が抜歯窩内部から歯槽頂縁を越えて上方、側方へも添加していた。術後30日、メンブレンの形態に沿って骨添加が進んでいた。術後60日、メンブレンの位置によって骨再生に大きな相異があることが示された。メンブレンを上方へ位置させると骨の高さは歯槽提より高いものとなり、メンブレンを側方に変形して固定すると骨幅が拡大した。 以上よりGBRを成功させるためには、メンブレン内に血管新生を促すこと、骨膜を適正に導く必要必要性が示された。
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