研究課題/領域番号 |
08672110
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小佐野 悦雄 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 講師 (80110998)
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研究分担者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 教授 (50001962)
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キーワード | 歯周病原性 / 口腔細菌 / Porphyromonas gingivalis / システインプロテアーゼ / hap遺伝子 / 発現蛋白質 / シークエンス |
研究概要 |
目的:Porphyromonas gingivalis(P.g.)は、進行性歯周炎の主な病原菌と考えられている。この菌の持つ病原因子のうち、プロテアーゼ活性を持つ血球凝集素(HA/P)は、組織破壊と付着因子という両面を持っている点が注目される。申請者らは、既にこの物質の遺伝子(hap)を約4kbのBamHI断片にクローン化し、遺伝子産物の発現を試みてきた。今回、T7ファージ由来の強力な発現システムを用いることにより、いくつかのサイズの遺伝子産物の大量発現に成功したので検討した。 方法:蛋白質の発現誘導は、約4kbのBamHI断片と、この断片中のPstI-PstI間約2.7kb、PstI-SphI間約2.3kbをpT7ベクターに各々連結し、E.coliBL21(DE3)を形質転換して、IPTG存在下で行った。培養菌体を超音波破砕して全菌体抽出液、水溶性分画、不溶性分画を得た。発現蛋白質をSDS-PAGEで泳動後、PVDF膜へ転写した蛋白質のN-末端配列を分析した。 結果:1)hap遺伝子に由来する蛋白質の大量発現が不溶性分画に認められた。SDS-PAGEで測定した分子量は、BamHI断片遺伝子で67kDa、PstI-PstI間は57kDa、PstI-SphI間は52kDaであった。2)発現蛋白質のN-末端アミノ酸配列を分析したところ、20残基が報告されているシステインプロテアーゼ遺伝子から推定されるアミノ酸配列と一致した。3)発現誘導を試みる過程で、pBluescritpやpTZ18RよりpT7-5/6又はpETベクターの方が発現効率が高い事が分かった。今後、不溶性分画中の発現蛋白質を可溶化して、hap遺伝子を酵素活性を持った形で再生させる予定である。
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