研究概要 |
1.chondrogenesisの過程におけるβ1インテグリン・グループの発現パターンの解析 種々のインテグリンサブユニットに対する入手可能な抗体およびRNA probesを用いて検索を行った結果、鶏胚肢芽においてβ1,β3,α1,α2,α3,α5のインテグリンサブユニットが発現していることが判明した。軟骨形成に伴う、時間的、空間的発現について、著明な変化は認められなかった。 しかし,β1およびα5のmRNAサイズが未分化間葉系細胞から軟骨細胞への転換に伴って大きくなることが判明した。ニワトリβ1はすでにcloningされているので、そのseaquenceをもとに研究を進めている。α5については軟骨の増殖に直接関与していることが明らかになったものの(発表論文参照)、ニワトリα5のcloningはなされていないので、現在、cloningを行っている。 2.chondrogenesisを促進する、αサブユニットに対する抗体の作成 αサブユニットに対する機能的な抗体の作成を試みたが,βサブユニットについての抗体が得られるのみで、成功しなかった。そこで、1.の結果より、候補となるαサブユニットのantisenseをニワトリレトロウイルスに組み込み発現させ、各αサブユニットの機能を阻害するという実験計画に変更した。レトロウイルスによる遺伝子発現の実験の基礎はすでに確立し(論文発表)、現在β1インテグリンのantienseを発現させる実験を行っている。 3.chondrogenesisにおけるβ1インテグリンの役割を検索するためのin vivoの実験系の確立 肢芽へのハイブリドーマ移植では、抗体の浸透性に問題があるので、2.で記述したレトロウイルスの系を用いる方がよいことが判明した。
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