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1996 年度 実績報告書

口腔内好中球のアポトーシスによる生体防御機能の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 08672139
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京歯科大学

研究代表者

木崎 治俊  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60051653)

研究分担者 谷本 豊  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10276975)
大西 芳秋  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (60233219)
キーワードアポトーシス / 口腔好中球 / LPS / 腫瘍壊死因子 / 無血清培地
研究概要

好中球は骨髄での分化し末梢血へと移行、そして多くの好中球は口腔内あるいは肺胞、腸管内へ移行する。この体腔内へ遊出した細胞はその場での生体防御に重要な機能をもつ。好中球の機能は異物・細菌などの貪食作用による生体防御とともに、その細胞内容物の逸脱は組織傷害の誘因ともなる二面性を持っている。好中球のアポトーシスは細胞内容物の逸脱による組織傷害を抑制し、炎症の終熄、あるいは炎症の増悪の抑制にかかわると考えられる(Bull.Tokyo Dental College,in press.1997)。したがって口腔内、特に歯肉溝内ではその制御が重要と考えられる。そのため口腔内に遊出した好中球のアポトーシスの機構を明かにする目的で口腔内の細胞からPolymorphoprepの重層遠心法により好中球を調整し、種々条件下での細胞死の動向をアポトーシスの基本的な特徴であるDNA切断を指標として基礎的実験を行なった。好中球を血清を含む培養液で培養すると少なくとも8時間では何らDNAの切断をきたさない。一方、T細胞はDNA切断が培養6時間後より誘発される。好中球を無血清培養液で培養すると4時間より生存率の低下とともにアガロース電気泳動で軽度のDNAのスメア-状の分解が観察された。Actinimycin D,cycloheximideはT細胞のアポトーシスを抑制するが、これらは短時間で好中球にアポトーシスを誘発する。単球、マクロファージでは数時間の培養では何ら変化がみられないが、長時間の培養により典型的なアポトーシスが引き起こされ典型的なアポトーシスが観察された。これらのことより、炎症細胞でもそれぞれ異なった機構が想定される。しかし、好中球のアポトーシスの判断には(1)口腔内好中球の多様性(プライミングの差異)、(2)必ずしもDNA切断を伴うアポトーシスではないことなど非常に難しい点が指摘され、それらの問題点について検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Onishi,Y.: "Molecular cloning of the genes suppressed in RVC lymphoma cells by topoisomerase inhibitors." Biochem Biophys Res Commun. 228・1. 7-13 (1996)

  • [文献書誌] 木崎治俊: "生体防御とアポトーシス" Therapeutic Res. 17・11. 4213-4218 (1996)

  • [文献書誌] 木崎治俊: "アポトーシスと疾患" 医学のあゆみ. 178・10. 712-716 (1996)

  • [文献書誌] 木崎治俊: "アポトーシス-口腔組織防衛と細胞死、特に免疫細胞の生死" 歯界展望. 88・1. 86-94 (1996)

  • [文献書誌] 木崎治俊: "口腔の細胞社会をコントロールする細胞の自殺・アポトーシス" 日本歯科医師会雑誌. 49・1. 17-28 (1996)

  • [文献書誌] 木崎治俊: "アポトーシスの病態生理学的意義と治療応用への展望" 現代医療. 29・1. 100-107 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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