研究課題/領域番号 |
08672173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
古跡 孝和 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40121818)
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研究分担者 |
井上 雅裕 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50159993)
林 靖久 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90164970)
板垣 恵輔 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (00151449)
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キーワード | X線画像解析 / 診断支援 / X線不透過像 / 単純性骨嚢胞 / 突発性骨硬化症 / 根尖性線維性骨異形成症 / 自動診断システム |
研究概要 |
線維性骨疾患のX線画像はX線透過性からX線不透過性を示すものまで種々雑多な疾患の集合で、定義や画像表現までも難解な疾患群である.この線維性骨疾患群を画像データベース化し、医学的意思決定の支援の可能性および有効性の検討を行う。今年度は画像データベース化のために、当講座に1987年より約10年間にわたり保存整理されている15,495件からの線維性骨疾患の抽出を行った. 結果、線維性骨疾患に分類されたもの576症例で、良性病変565症例、悪性病変11症例であった.最も多く分類されたのは骨腫196症例(34.6%)で、突発性骨硬化症、内骨症、外骨症、骨隆起や辺縁性の骨腫などをひとまとめにした.次いで、根尖性線維性骨異形成症152症例(26.9%)であった.この両者は、発現部位やX線画像が類似し鑑別が困難な場合が生じるが、病巣周囲の透過帯の有無を最大の鑑別点として分類した.第三番目に多くみられたのは、単純性骨嚢胞の105症例(18.6%)であった.この病変は根尖性線維性骨異形成症やセメント質異形成を伴う疾患との定義および鑑別が混乱しており、この研究においては石灰化を伴った単純性骨嚢胞4症例と伴わないものとを区別して考えて行いたい.以下、線維性骨異形成症:40症例、骨形成線維腫:34症例、粘液腫・線維腫:13症例、良性セメント芽細胞腫:5症例、血管腫:5症例などであった.全身および代謝疾患に関連したもの(11症例)や悪性疾患(11症例)は今後の研究の対象より除外する. 今後の問題点としては、真性腫瘍や線維性骨異形成症などは病変の定義および画像特徴も比較的はっきりしており鑑別や分類は比較的容易である.しかし,根尖部に発現する突発性骨硬化症、硬化性骨炎および根尖性線維性骨異形成症の分類定義の明確化が画像分類を行う上で最も重要なポイントになると思われる.
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