• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

歯髄細胞の遊走能における細胞老化と個体老化の関連性について

研究課題

研究課題/領域番号 08672188
研究機関広島大学

研究代表者

中西 惠治  広島大学, 歯学部, 助手 (00136102)

研究分担者 日野 扶美子  広島大学, 歯学部・附属病院, 医員 (50263710)
東 富惠  広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20034233)
キーワード歯髄細胞 / 細胞老化 / 個体老化 / 遊走能 / アルカリホスファターゼ活性
研究概要

加齢に伴う歯髄の生物学的機能の一端を解明するため、歯髄の創傷治癒過程における歯髄細胞の集積に着目して、歯髄細胞の増殖能、石灰化機能のマーカーであるアルカリホスファターゼ(ALPase)活性および遊走能における細胞老化と個体老化の関連性について、3例の高齢者(64歳以上)由来細胞と3例の若年者(20未満)由来細胞とを用いて分析し、以下の知見が得られた。
1.培養ヒト歯髄細胞をそれぞれ4から8か月の長期培養を行い、生存曲線より求めた集団倍加回数では、若年者の細胞がいずれも30以上を示したのに対して、高齢者の細胞は18から26と低下していた。さらに、高齢者由来の細胞では、若年者と比較して培養早期から増殖速度と飽和密度が低下していた。これらの結果は、歯髄細胞の細胞老化における変化と類似しており、歯髄細胞の増殖能における細胞老化と個体老化の密接な関連性が示唆された。
2.歯髄細胞のALPase活性について、細胞化学染色法を用いて分析したところ、高齢者由来の細胞は若年者のそれと比較して、ALPaseの陽性反応が減弱し、細胞老化における変化と類似していた。従って、老化に伴うALPase活性の低下は、比較的高い活性を有する細胞の出現と密接に関連していることが示唆された。
3.歯髄細胞の遊走能について、二次元の細胞運動能を指標に分析したところ、晩期継代細胞は、早期継代細胞に比較して、遊走した細胞の数と移動距離が減少しており、細胞老化に伴う遊走能の低下が認められた。一方、高齢者および若年者由来の比較については、現在も解析中であり、今後遊走能における細胞老化と個体老化の関連性について詳細に分析する予定である。

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi