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1998 年度 実績報告書

好中球の機能抑制を誘導する歯周炎関連細菌由来産物の細胞への作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08672196
研究機関九州大学

研究代表者

廣藤 卓雄  九州大学, 歯学部, 講師 (10189897)

研究分担者 米田 雅裕  九州大学, 歯学部, 助手 (10253460)
椛島 浩明  九州大学, 歯学部, 助手 (20214504)
濱地 貴文  九州大学, 歯学部, 助手 (80198811)
前田 勝正  九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
キーワードT細胞 / PMNs / 細胞表面抗原 / ^H2^O2産生能 / 殺菌能 / P.glnglvalls / B.forsythus
研究概要

我々は、Porphyromonas gingivalis(P.gingivalis)の培養上清が、ヒトT細胞の表面抗原に与える影響について、検討を行った。その結果、培養上清で前処理された細胞は、CD4の発現が0%となりCD8,CD2の有意に減少していた。又、培養上清を還元剤で活性化すると、CD4,CD8,CD2に加えてCD11a,CD18,TCR-γδも有意に減少していた。さらに、この培養上清の活性は、システインプロテアーゼ阻害剤によってほとんど消失することがわかった。このことからP.gingivalis、T細胞の表面抗原を切断するシステインプロテアーゼを産生し、このタンパク分解酵素がT細胞の活性化や免疫機能を障害することで、歯周病の病因に関与している可能性が示唆された。
さらに、P.gingivalisと同様の酵素を有しているBacteroides forsythus(B.forsythus)のヒト多形核白血球(PMNs)への影響を調べ、P.gingivalisと比較し、その効果と作用機序について検討した。その結果、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)で処理した場合と比較して、B.forsythus超音波破砕抽出物(B.forsythus S.E.)で処理されたPMNsは、LFA1分子,CR3及び殺菌能の有意な増加が、FcR,H_2O_2産生能に有意な減少が認められ、CR1に関しては、有意差が認められなった。一方、P.gingivalisは、B.forsythusと同等の酵素活性濃度に希釈したものを用いて同様の実験を行ったところ、FcR,LFA-1分子,CR1,H_2O_2産生能及び殺菌能の有意な減少が認められ、LFA-1分子,CR1及び殺菌能においてB.forsythusの実験とは異なる結果を示した。
以上より、P.gingivalisは有するタンパク分解酵素により細胞表面の抗原を破壊し、細胞機能を抑制させる可能性が示唆されたが、B.forsythusはP.gingivalisと類似した酵素活性をもつが、PMNsの細胞接着に関与するLFA-1分子や殺菌能に関して異なった影響があったことから、P.gingivalisとは異なった作用機序が考えられる。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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