研究課題/領域番号 |
08672209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
沼部 幸博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (90198557)
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研究分担者 |
川村 浩樹 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (60256998)
浅木 英理 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (80227363)
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キーワード | アポトーシス / 好中球 / 唾液 / Fas / TNF-α / フローサイトメトリー |
研究概要 |
本年度の研究において得られた知見を報告する。 まず本年度は、末梢血中のPMNと、歯肉固有層の毛細血管より遊走し、歯肉溝を経て口腔内に移行する唾液中のPMNを対象として、周囲の環境とアポトーシス関連抗原の発現との関係を検索した。 健常者の末梢血および唾液からPMNを分離し、PBS、血清、唾液、熱処理唾液(60℃、30分)、PMA、腫瘍壊死因子(TNF-α),Fas抗体(アポトーシス関連抗体)をPMNにそれぞれ加え、3時間インキュベートした。そしてその前後のFas抗原およびLewisY(Le^y)抗原の発現を、間接蛍光抗体法を用い、Flow Cytometryで検索した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.末梢血中のPMNでは、唾液、TNF-α、Fas抗体の刺激により、Fas抗原の発現が増加した。 2.末梢血中のPMNでは、血清、唾液、TNF-α、Fas抗体の刺激で、Le^y抗原の発現が増加した。 3.分離直後の末梢血中のPMNでは、Fas抗原の発現は、インキュベート後の唾液群、熱処理唾液群、PMA群、TNF-α群、Fas抗体群と比較して低い値を示した。 4.分離直後の末梢血中のPMNでは、Le^y抗原の発現は、インキュベート後のPBS群、唾液群、熱処理唾液群、PMA群、TNF-α群、Fas抗体群と比較して低い値を示した。 5.分離直後の唾液中のPMNでは、Fas抗原の発現は低いが、Le^y抗原の発現は有意に高い値を示した。そしてこの傾向は、PBSおよび血清でのインキュベート後もほとんど変化しなかった。 以上のことより、PMNがその食細胞としての終焉の時に、唾液やサイトカインなどの影響を受け、その細胞死にアポトーシスが関与している可能性が示唆された。
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