本研究ではGuided bone regeneration法に形態付与性を有する吸収性膜を開発し、イヌ骨欠損モデルにおける歯槽骨の再生量について検索を行った。すなわち、イヌ下顎左右側第1後臼歯抜去後3カ月で本実験を行った。第2後臼歯と第4後臼歯にアマルガムのポイントを3カ所を作製し、簡易X線規格撮影装置にて規格撮影を行った。その後無歯顎部の歯肉弁の切開剥離を行い近遠心幅10mm深さ5mmの頬舌側にわたる広範囲な骨欠損を作製した。高さ約5mmのスペースが確保できるようロッド補強コラーゲン膜をトリミング試適し、応用したものを実験群とした。対照群は歯肉弁の切開剥離を行い骨欠損作製のみで復位縫合を行った。実験終了後、同部のX線規格撮影を再度行った。術後は創のし開や感染等の異常所見は観察されず、良好な治癒経過が認められた。屠殺までの期間は週2回実験部の洗浄消毒を行った。術後12週、24週で屠殺し、その際X線規格撮影を行った。X線写真は骨欠損作製直後のものと各実験期間終了時のものとを比較しその再生量を計測した。その結果X線写真では、実験群においてX線不透過性領域の増大が認められ、サブトラクション法によりその再生量について解析中である。また、病理標本の作製については現在脱灰中であり次年度にその結果を公表する予定である。とくに、病理学的な検索では、膜の吸収時期と骨再生との関連について検索するものである。
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