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1997 年度 研究成果報告書概要

歯肉退縮の審美的回復を目的とした歯周矯正の適応基準に関する臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08672211
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 保存治療系歯学
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

田村 利之  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20139546)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
キーワード病的移動 / 歯肉退縮 / 歯周矯正 / アタッチメントレベル / ノンパラメトリック検定
研究概要

本研究の目的は、特に前歯部の歯根露出を伴った病的移動歯に対する歯周矯正治療による歯肉辺縁の位置変化等の審美的問題、アタッチメントレベル、支持歯槽骨の変化等の機能的問題に関して、考察を加え、特に歯肉退縮の改善に関する臨床評価を行うことである。
すなわち、本学付属病院保存科来院患者で、前歯部の病的移動を伴った患者で歯周治療の必要性が認めら得た患者を選択し、通法に従い歯周初期治療、歯周外科治療、矯正治療を行った。臨床評価資料は、歯周矯正前後の臨床的資料をもとに、圧下に伴い舌側方向に力を加えた群(グループ1)と圧下とともに隣接方向にトルクを加えた群(グループ2)に分類し、それぞれの群における経日的変化を検索した。すなわち、軟組織変化に関する評価として、各再評価時における
1)プロービングデスプ 2)アタッチメントレベル 3)歯肉辺縁レベル 4)付着歯肉幅
の診査値より、歯肉退縮による露出歯根部の歯周矯正による審美的回復の可能性を考察し、また、X線写真により支持歯槽骨の変化を考察した。
その結果、グループ1、グループ2の両群とも、統計学的に有意に(危険率5%)、歯肉退縮部の回復をみた。特に、グループ2では、きわめて、審美的に良好な回復結果を示した。また、両群とも、アタッチメントレベル、付着歯肉幅の改善に危険率5%では有意差は認められなかったが、改善傾向がみられた。X線評価では、支持歯槽骨量に関して、グループ2では有意な支持歯槽骨量の増加が認められた。しかし、圧下にともなって、程度の差はあるが、垂直性吸収像や歯頚部の楔状吸収を示す症例が多く見受けられた。このことは、矯正後に新たな問題点となることが示唆された。すなわち、歯周矯正によって、歯肉退縮を伴った病的移動歯に対してその効果が、実証され、あらたな予知性による適応基準が示唆された。
今後、規格化された骨欠損を有した歯に対する実験的歯周矯正による影響の確認を動物実験にて行い、X線学的、病理組織学的に検索する必要性が示唆された。

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公開日: 1999-03-16  

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