研究計画に従い初年度は、セラミック・インレー/オンレー・ミリングシステムであるセレイシステムを用いた加工精度、特にその繰り返し使用により発生する切削器具の劣化について検討を行った。これは最終切削形態に至る距離により切削器具の交換を行うCAD/CAMシステムが切削器具効率の変化に対応できず、切削精度に影響を与えていると考えられるためである。そこでまず専用の円柱状セラッミク製ビタブロックの切削を同一条件にて行えるように階段状規格形体のアルミブロックを(株)ホ-セイ社製卓上型旋盤(ニューコンプル5000)にて製作した。この原型を基に切削用ラフミリングディスクの最も外周の部分が、主にビタブロックに当たるように冷却液(セルク-ル)を注液しながらできるだけ回転数の低下が起こらないように圧を加え切削した。この際の切削に要する時間を一定の間隔で測定し、この時間が経時的に延長することが認められた。現在この原因についてダイヤモンドディスク表面におけるダイヤモンド粒子の磨滅、脱落、あるいは粒子間への切削塵の付着、焼き付け等のについて、SEM像による観察ならびに走査型レーザー顕微鏡システムを用いて表面粗さの測定を行っている。2年目は、このデーターを基にラフミリングディスクに比べ切削効率低下の影響が大きいと考えられるファインミリングディスク、バ-タイプのミリング器具につて同様の測定をし、回転数による影響についても検討を行う予定である。
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