研究計画に従い初年度にひき続き、セラミック・インレー/オンレー・ミリングシステムであるセレイシステムを用いた加工精度、特にその繰り返し使用により発生する切削器具の劣化について切削試料数を追加し検討を行った。専用の円柱状セラッミク製ビタブロックの切削を同一条件にて行えるように階段状規格形体のアルミブロックを(株)ホ-セイ社製卓上型旋盤(ニューコンプル5000)にて製作した。この原型を基に切削用ラフミリングディスクの最も外周の部分が、主にビタブロックに当たるように冷却液(セルク-ル)を注液しながらできるだけ回転数の低下が起こらないように圧を加え切削した。この間、200gfの一定荷重下で同一切削量に要する時間を測定し、この所要時間が初期に比べ15本切削後においては約2倍に延長した。この原因についてダイヤモンドディスク表面変化を検討したところ、ダイヤモンド粒子の脱落と粒子形状の鈍化が認められた。しかし当初予想された切削塵の付着、焼き付きは注液が適当であったためか認められなかった。また切削試料数が増えるに従って切削圧に対する反発も増加し、試料に大きな負荷と振動を与えることが示唆された。この事は、現状のCAD/CAMシステムにおいて切削精度を向上させるためにこの切削器具の劣化に対する配慮の必要性を示唆するものと考えられる。次年度は、このデーターを基にファインミリングディスク、バ-タイプのミリング器具につて同様の検討を行う予定である。
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