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1996 年度 実績報告書

歯科用合金の腐食挙動のコンピュータ・シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 08672243
研究機関九州大学

研究代表者

中川 雅晴  九州大学, 歯学部, 助手 (80172279)

研究分担者 白石 孝信  九州大学, 歯学部, 講師 (10150468)
松家 茂樹  九州大学, 歯学部, 助教授 (00108755)
キーワード歯科用合金 / 腐食 / 定電位分極 / アノード分極 / 交流インピーダンス法
研究概要

本研究は、口腔内環境における歯科用合金の腐食挙動を予測し、耐食性を評価するためのシミュレーションモデルの構築を行うための基礎データを得ることを目的とした。
このために、試験液として人工唾液、0.9%NaCl水溶液中で種々組成の歯科用合金の定電位分極、動電位分極実験を行い、さらに、交流インピーダンス法により、微小な分極条件下における各種合金の分極抵抗(腐食に対する抵抗)の測定を行った。
口腔内にできるだけ近い環境における合金の腐食挙動を予測するためには、定電位分極や動電位分極試験のように自然電位から大きく分極してデータを得るのではなく、自然電位での腐食挙動を測定する必要がある。従来、自然電位の近傍で微小な分極を加え、その時流れる電流と電圧の傾きから分極抵抗を求める方法が一般であったが、腐食速度が極めて遅い中性の口腔内環境においてこの方法を適用することは誤差が大きく困難であった。
これまで、歯科用合金の分極抵抗の測定に交流インピーダンス法を応用した例は無かったが、今回それによって得られる情報が、歯科用合金の腐食挙動の解明に極めて有効であることがわかった。交流インピーダンス法は、自然電位近傍の分極抵抗値が測定できるばかりでなく、得られたデータが描くプロットの形状から、どのような機構で腐食が生じているかという情報を与えた。今回得られたデータは、合金表面から直接金属が溶液中に溶出するケースと、表面に非常に薄い皮膜を形成し、金属の溶出がその膜を通しての拡散律速となっているケースを示したが、実際の口腔環境においてはさらに多くのケースが存在すると考えられ、得られたデータと腐食機構の関連付けおよびその検証が今後の課題であると結論された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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