研究概要 |
1.咬合面形態と咬合接触像の記録法について、アナログカメラとフィルムスキャナーを用いた画像処理法を確立し、正確に重ね合わせることができることを確認し、臨床や教育に有用であることを確認した(昭歯誌、40:119-124,1996)。 2.咬合面形態の咬合接触像の記録にデジタルカメラを導入し、処理の効率化を図った。印象材の厚さと明度の関係を測定し、理論曲線としてランバートの法則における関数を導入し、極めて高い有意性が認められた。この理論曲線は、画像の二値化処理による咬合接触領域の抽出の際の閾値を与えことから、これにより目的とするクリアランス以下の領域を任意に抽出することができる(第95回日本補綴歯科学会学術大会)。 3.抽出した咬合接触領域の測定における系統誤差は、距離の測定において-5%程度であったが、面積の測定では-20%と大きかった(第16回昭和歯学会総会)。この原因として、面積測定に用いた解析ソフトの誤差による可能性が考えられたため、その測定精度を検討したところ、測定面積によって多少変化するものの、概ね1%程度であることが分かった(第16回昭和歯学会例会)。系統誤差を減少させるための補正方法を現在検討しており、国際歯科研究学会(Orland,March 1997)において、発表予定である。 4.咬合接触領域に発現する咬合力の解析を行なうために、感圧シートの基礎的検討を行なった。感圧シートの発色濃度は加えられた単位面積当りの平均圧力と良く相関するが、発色面積は圧力の増加にともなって増大するために、単独では咬合力を正確に測定することはできず、我々の咬合接触領域の測定法を併用することが有用と考えられる(第97会日本補綴歯科学会学術大会発表予定)。
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