研究課題/領域番号 |
08672271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
諏訪 文彦 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067178)
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研究分担者 |
池 宏海 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30222855)
戸田 伊紀 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20197891)
竹村 明道 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (00155045)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | Guided bone regeneration / Microvascularization / Osteogenesis / Repairing of wound / Dura Mater / Alveolar bone Augmentation |
研究概要 |
誘導膜を用いて骨欠損を早く修復する工夫がなされている。骨誘導膜には非吸収性と吸収性の膜があり、臨床では非吸収性から吸収性へと移行するための研究がなされている。ヒト脳硬膜は吸収性骨誘導膜の生体材料としてすぐに臨床に応用されている。脳硬膜は脳頭蓋骨の骨膜でもあるので、BMPを含んで骨誘導能が高いと考えられている。そこで微細血管構築の変化と骨形成の観点からの膜の有用性について調査する。 ヒト脳硬膜をニホンザルの抜歯窩に応用する実験を計画した。実験観察する抜歯窩は比較的歯槽骨の損傷が極力少なくできる上顎に求め、片側の抜歯窩は脳硬膜で覆い実験側とし、他側の抜歯窩は脳硬膜で覆わないで対照側とし、両側とも骨膜粘膜弁を縫合した。観察期間は、抜歯後の骨吸収防止とインプラント植立に関連する将来の研究計画に資するよう、1、2、4、6、8週とした。各期に安楽死させ、両側総頚動脈からアクリル樹脂を注入し、実験部位を摘出し、光顕観察用標本および走査電顕観察用の微細血管鋳型・骨の同時標本を作成した。 術後1週では、両側とも抜歯窩は洞様新生毛細血管で充填されており、術後2週では、実験側において成熟した血管が多く認められた。術後4週では両側とも抜歯窩の窩底からの新生骨形成が認められ、実験側の新生骨の量が少し多かった。術後6週では両側とも新生血管は抜歯窩窩口までいずれも達していたが、窩口部ではいずれも骨形成は認められなかった。実験側の窩口部では洞様毛細血管が多く骨の形成形態を取っていた。8週では実験側は抜歯窩は完全に新生骨で充填されていたが、対照側では6週と同様で抜歯窩窩口部に陥凹を認めた。 抜歯窩の新生骨の再生状態から脳硬膜は骨誘導膜として有用であると評価した。
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